5言語のシナリオ更新で、再確認が必要な翻訳をどう記録する?
中国語の通行条件が変わったら、他言語の過去の承認はそのまま使えません。原文の版・言語・項目をひも付けた確認台帳で、版が一致しない行、または未承認の行をすべて対応対象にします。影響を受ける全行が承認されてから、5言語を同時に公開します。

まず「確認済み」を特定の原文の版にひも付ける
通行条件を変更したら、各言語で影響を受ける項目を改めて登録し、確認記録が特定の原文の版を指すようにします。「日本語は完了」では、昨日の版のことかもしれません。有効な記録には、どの版の原文に基づく訳文か、どこを直したか、誰が確認したか、公開してよいかを明記する必要があります。
記録は二段構えがおすすめです。変更カードに新旧の原文を保存し、確認台帳には「言語×項目」ごとに登録します。中国語も確認が必要です。会話を直しても、失敗メッセージには古い条件が残っているかもしれません。言語全体の状態は、各項目の状態を集約して判断します。
以下は架空の学習用事例です。人物、物語、記録、進捗はすべて創作であり、実際のユーザー事例や検証済みの成果ではありません。また、いずれかの製品に既存の機能があることを示すものでもありません。ここでの操作はすべて、手作業で実施できる文書上の運用ルールです。
通行条件を、一つずつ判断できる変更に分ける
『霧の港の夜歩き』を中国語、英語、日本語、韓国語、スペイン語で管理しているとします。作者は、記録の塔に入るための制限を追加しました。
| 原文の版 | 門番の発言全文 |
|---|---|
| 第7版 | 銅の鍵を持っていれば、記録の塔に入れる。 |
| 第8版 | 銅の鍵を持ち、鐘が鳴る前に到着しなければ、記録の塔には入れない。同行者もそれぞれ1本ずつ鍵を持っている必要がある。 |
確認するのは三点です。銅の鍵が引き続き必要であること、到着時刻の制限が加わったこと、鍵の所持条件が入場者全員に明確に適用されること。「銅の鍵」だけを残し、後の二点を落とした訳では、各言語への反映が完了したとはいえません。
変更カードは、次のように記入できます。
- 変更番号:記録の塔・条件変更8。
- 原文の場所:第2章/記録の塔入口/門番の説明。
- 基準の変更:第7版を第8版に置き換え、両方の発言全文を残す。
- 判定基準:鐘が鳴った瞬間は「鐘が鳴る前」に含めない。同行者の誰か一人でも鍵を持っていなければ、一行全員で入ることはできない。
- 影響を受ける項目:門番の説明、選択肢の文言、失敗メッセージ、クエスト概要。
- 設定の確認担当:林岑。各言語には別途、訳文の確認担当を置く。
この二つの判定基準は、本例の作者が補足した架空の設定です。翻訳者が推測で決めてはいけません。鍵のない人が外で待てるかどうかが未決定なら、「判定基準の確定待ち」と記録し、該当する文の承認を保留します。
項目別の台帳で、各言語がどこで止まっているかを把握する
台帳の最小単位は、一つの言語の一つの項目です。少なくとも次の欄を設けます。
| 欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 言語と項目の場所 | 例:日本語/記録の塔入口/失敗メッセージ |
| 対象となる原文の版 | 今回そろえるべき第8版 |
| 現在の訳文が基づく原文の版 | 実際に基づいている第7版または第8版。承認済みという意味ではない |
| 訳文の改訂番号と本文の場所 | 今回の審査対象となる全文を参照できる情報 |
| 影響を受ける内容 | 時間制限、鍵の配分などの差分 |
| 状態と作業が止まっている理由 | 更新待ち、再確認待ち、差し戻し、承認済み、判定基準の確定待ち |
| 確認記録 | 氏名、日付、原文の版、訳文の改訂番号 |
| 公開条件 | この項目がまだ満たす必要のあるチェック事項 |
「更新待ち」は更新が未完了、「再確認待ち」は新版の本文を提出したが未確認、「差し戻し」は問題が見つかり修正が必要、「判定基準の確定待ち」は判定基準が未決定の状態です。「承認済み」には、現在の本文に対する有効な承認記録が必要です。承認後に訳文を変更したら再確認待ちに戻し、以前の承認は履歴として残します。
以下は進捗の抜粋にすぎません。翻訳の完全なサンプルではなく、言語品質の検証が完了したことを示すものでもありません。
| 言語/項目 | 現在の原文の版 | 状態 | 確認担当または次の作業 |
|---|---|---|---|
| 中国語/門番の説明 | 第8版 | 承認済み | 林岑が今回の改訂を確認済み |
| 英語/選択肢の文言 | 第7版 | 更新待ち | 許禾が時間制限を追記する |
| 日本語/失敗メッセージ | 第8版 | 差し戻し | 陳遥が、まだ鍵を共有できるように読めると指摘 |
| 韓国語/クエスト概要 | 第8版 | 再確認待ち | 周寧による項目ごとの確認待ち |
| スペイン語/門番の説明 | 第8版 | 再確認待ち | 条件が適用される同行者の範囲が伝わる表現か、羅青の確認待ち |
正式な台帳には、影響を受けるすべての項目を列挙します。この5行だけを根拠に、いずれかの言語全体が完了したとは宣言できません。変更不要の項目にも、「選択肢はルールを尋ねるだけで、通行できるとは約束していない」などの理由を記録します。新版でも流用できると確認してから、承認済みにします。
差し戻しから承認までをたどり、公開の判断方法を示す
確認担当が、日本語の失敗メッセージの意味を中国語で「一行は銅の鍵を持っていないため、入れない」と言い換えたとします。これは元の記事で中国語によって示した意味の言い換えであり、実際の日本語訳文ではありません。一行全体で1本の鍵を共有できるようにも読め、遅刻と鍵の不足も区別されていません。
差し戻し記録には、「第8版に照らすと、現在のメッセージには各自が1本ずつ持つ必要があることが表現されていません。鍵がない場合と時間に間に合わない場合のメッセージを、それぞれ補ってください」と書きます。「訳が不正確」とだけ書いても、承認基準は伝わりません。
修正後は、三つの架空の状況に当てはめて、一文ずつ意味を確認します。
- 鐘が鳴る前に到着し、2人とも自分の鍵を持っている:説明と選択肢は、2人の入場を認める内容になっているべきです。
- 鐘が鳴る前に到着し、プレイヤーは鍵を持っているが同行者は持っていない:同行者に鍵がないことを示し、2人で入れるとは約束しないメッセージにします。
- 2人とも自分の鍵を持っているが、鐘が鳴った瞬間に到着する:時間に間に合わなかったことを示すメッセージにします。
このように仮定の状況に当てはめて確認するのは、文章の意味です。実際のテスト記録ではなく、プログラムの分岐が正しいことの証明にはなりません。条件を別途設定している場合は、独立したチェック事項を設けて担当者が確認します。
本例では5言語を同時に公開します。そのため、次の条件をすべて満たす必要があります。5言語それぞれの4種類の項目に記録があること、各行が実際に基づく原文の版が対象の第8版と一致すること、仮定の状況に当てはめた意味の確認で矛盾がないこと、承認記録が現在の訳文の改訂番号に対応すること、影響を受ける全行が「承認済み」であることです。更新待ち、再確認待ち、差し戻し、判定基準の確定待ちの行が一つでもあれば、公開できません。第8版に基づいているだけでは、更新完了や承認の代わりにはなりません。韓国語の概要が未確認、あるいは英語の選択肢が更新待ちなら、変更全体がまだ公開承認待ちです。
適切な記録単位を選び、無効になった承認も残す
文章量が少なければ、文書内に各言語の4項目を並べる方法があります。複数人で作業するなら、表を使うと未対応の項目を絞り込みやすくなります。言語単位の一覧しかなく項目の内訳がない場合、進捗の把握には使えても、公開の根拠にはできません。見落とした失敗メッセージが隠れてしまうためです。
言語ごとに公開することも可能ですが、各公開分の条件の版を明示し、共有する物語のルール上、複数の版が共存してよいことを確認したうえで、その公開分で影響を受ける全行を承認済みにする必要があります。5言語が新版の通行判定を共有しているなら、古い訳文ではプレイヤーが古い説明に基づいて選択してしまいます。中国語が完成しただけでは公開できません。
第8版がさらに「鐘が鳴った後でも入れる」に変わったら、第9版の記録を作り、該当項目の確認を手動で再開します。第8版の承認は、第9版の正しさを証明しません。無関係な句読点だけを直す場合も、影響の判断を記録し、どの項目を流用できるか確認します。すべての言語をやみくもにやり直す必要はありません。
台帳は、何を確認したかと誰が責任を持つかを明確にするものです。言語能力の代わりにはならず、人手ですべての参照箇所を見つけられる保証もありません。まず条件が登場する会話、選択肢、メッセージ、概要を列挙し、それを5言語に展開します。最後に、「実際に基づく原文の版が対象の版と一致していない」または「状態が承認済みではない」行を対応一覧に入れます。どちらか一方でも当てはまれば対象とし、二つの集合の和集合を取ります。これなら古い本文を拾いつつ、第8版に基づいていても再確認待ちや差し戻しになっている記録を取りこぼしません。


