インタラクティブ映画制作ワークフローの毎日素材引き継ぎ:ルート網羅を照合
撮影終了時に予定ノード、実際のカットとテイク、取り込み素材を照合する。日次ルート網羅受領票で未撮影、未特定、未確認、物語上使用不可を分け、未解決点を翌日の担当へ渡す。

はじめに
日々の素材引き継ぎは、予定した各ルートノードに追跡できる結論があって完了する。対応素材、確認内容、不足、翌日の担当を示す。現場記録と取り込み一覧を双方向で照合し、「撮った」を「使える証拠がある」の代わりにしない。この制作ワークフローの中心成果物は日次ルート網羅受領票だ。
1. 終業時の引き継ぎ前に照合範囲を決める
小規模なインタラクティブサスペンス『最終便の録音』は架空教材で、実際のユーザー事例、検証済み結果、製品機能ではない。調査者は「録音を再生」「録音を封印」を選び、当直員が入る場面へ合流する。
当日は再生、封印、合流の三ノードを撮る。再生では時報を聞き、封印では録音機を切ったまま証拠袋へ入れる。合流には録音機が映らないが、聞いた場合と聞かなかった場合の反応につなぐ必要がある。
スクリプターは予定版、実際のカット・テイク、現場変更、未撮影項目を渡す。素材管理者はカード受領記録、取り込み位置、終了した確認を渡す。受け取る編集者がルートの証拠を判断する。兼任しても二種類の記録を省けない。
当日予定と追加項目が範囲だ。未予定のノードは当日の撮り漏れではない。削った予定には撤回理由と確認者を残す。問題を予定から消しただけで全完了と見せない。
2. 二方向で記録と素材の違いを探す
まず予定から素材へ。ノードの現場テイク、取り込みファイル、関連音を順に探す。「封印の第三テイク完了」でもファイルがなければ未特定とし、管理者がカード引き渡しと取り込みを追う。即座に未撮影とは断定しない。
次に素材から予定へ。余分な袋封じの寄りはノードと入口状態を確認する。現場記録がなければ帰属未確認とし、スクリプターと監督が判断する。似た動作だけで封印ルートへ入れない。
受領の有無、技術確認の進捗、物語要件が見聞きできるかを分ける。開くファイルでも音が欠け、鮮明な画でも分岐を誤ることがある。未確認は確認待ちと明記する。
記憶と内容が矛盾したら双方の原記録を残す。「電源切り」の記録に再生灯が映るなら争点の位置を添えて監督へ。合うように現場記録を先に書き換えない。
3. 日次ルート網羅受領票を複製する
日付、予定版、取り込みバッチ、提出者、受領者を表頭に書く。各行は当日渡すノード状態で、入口が異なるなら分ける。次の項目を使える。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 予定ノードと状態 | ノード、ルート、入口条件、起こるべき変化 |
| 実際のカット・テイク | 現場番号とテイク。未撮影も明記 |
| 取り込み証拠 | ファイル位置、関連音、確認記録位置 |
| 使用状態 | 未特定、確認待ち、使用可、条件付き可、不可 |
| 不足の証拠 | 時間範囲、観察できる問題、影響ルート |
| 翌日判断 | 探索、再確認、仮つなぎ、追加撮影、予定変更 |
| 担当と期限 | 処理者、返却時点、完了確認者 |
条件付き可なら「聞いた入口のみ」など範囲を示し、不可なら満たさない要件を示す。監督の不満だけでは好みかルート事実の誤りか分からない。
不足なしでも「袋封じを全確認、スイッチは切れたまま、音が対応」など根拠を残す。全フレーム記録ではなく別の受領者が位置から判断を再確認するためだ。
修正履歴を残し、開いた行を翌日へ引き継ぐ。旧状態を上書きせず、翌日予定から引用して追加カットがどの不足を解くか示す。
4. 夜の発見を翌日の判断に変える
例の確認後、次の簡略票を作れる。テイクと内容は教材設定だ。
| 予定ノード | 実テイクと発見 | 状態と判断 |
|---|---|---|
| 再生:時報を聞く | カット12・テイク2、画と関連音に時報全体 | 使用可。編集者受領、音位置を残す |
| 封印:切って袋へ | カット13・テイク3、袋へ入れる前に再生灯点灯 | 不可。翌日の撮影前に監督が撮り足し要件を確認 |
| 合流:未聴取入口 | カット14・テイク1、「さっきの時報は間違っていた」と言う | 条件付き。聞いたルートだけへ渡し未聴取入口は不足 |
封印の不足は8〜11秒、手がスイッチに触れ再生灯がつくことで、未再生の要件に反する。電源を切ったまま袋に入れる動作を撮り足す。元の姿勢と袋口状態をスクリプターが持ち戻り、監督の動作確認後、管理者が新テイクを票へ足す。
合流はファイル受領だけで全用途合格にしない。台詞なしの反応があれば仮つなぎで未聴取に合うか調べる。なければ監督が入口追加か接続変更を決める。未決定なら不足は開いたままだ。
翌日別の適切な袋に入れる素材が見つかれば、切れた状態と前後のつながりを再確認して代替と確認者を記録し、撮り足しを取り消せる。発見は位置の解決であって物語不足の完了ではない。
5. 受領条件で差し戻しと完了を管理する
票だけで素材位置、適用ルート、不足・合格根拠を再確認できるべきだ。位置不足は管理者、帰属不足はスクリプターと監督、次担当不足は製作へ戻す。欄を特定し、全素材を往復させない。
時間不足なら取り込みと終了確認を先に渡し、未確認ノードを待ちにして翌日の時刻を決める。セット撤去前なら依存する分岐差を優先し、不明部分は監督と製作がセット条件を保つか判断する。
共通カットは全入口を調べる。一ルートの合格は全引用ルートの合格でない。赤緑だけでなく不足、証拠、担当を書く必要がある。
票は日次引き継ぎ用で、完成のテンポ、全分岐体験、公開確認まで担わない。証拠補完か変更確認で行を閉じ、翌日撮影開始を理由にしない。編集へ進めるノードと問題を追うノードを最後に明示する。


