インタラクティブ映画のプレスキットで操作を伝える:評者が見るべき点を示す
紹介、操作説明、プレイ入口を一ページにまとめ、初回ルートの時間と映像総量を分けます。ネタバレしない観察点と任意の見返しルートも添えます。

物語の前に評者が体験できることを伝える
インタラクティブ映画のプレスキットは、受け手が入口をすぐ見つけ、操作と必要時間を知り、どの体験が紹介を裏づけるか分かるものにします。冒頭で重要なのは分岐数より「観客が何をし、その後に映像で何が変わるか」です。
一文の紹介、プレイ入口、操作規則、時間の定義、観察点、素材と連絡先の順にできます。長い世界観や完全な分岐図は添付にし、作品に入る前に説明で埋め尽くしません。
架空教材『最後の上映』を使います。閉館が迫る映画館で、観客は映写技師が先に録音を流すか訪問者に尋ねるか決めます。事例、時間、操作、版設定は作成した例で、実際のユーザー事例、検証済みの結果、製品機能ではありません。作者が手で記入する納品方法です。
対象はメディアが作品を受け取った後、インタラクションを正しく体験して記述することです。協業応募を担うものではなく、一ページの紹介で作品自体の判断を代替できません。
一ページのひな型で事実と案内を分ける
以下の表で表紙を埋められます。角括弧は送る前に実際の内容へ替えます。不足は不足と記し、仮リンクを納品物に見せかけません。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 作品と版 | [作品名];[納品版と日付];[全編か抜粋か] |
| 一文の紹介 | [誰がどんな対立に直面するか];観客が[行動]で[見える結果]を変える |
| プレイ入口 | [実際のアドレス];[アクセス条件];[有効期限または継続有効] |
| 操作方法 | [端末と入力方法]を使う;選択時は[画面状態];操作しないと[結果] |
| 時間の見込み | 初回ルート映像[範囲];選択と読み込み[別計算か] |
| 素材総量 | この版で共通区間を重複計上しない映像合計[長さ] |
| 観察の提案 | [選択前の情報]と[選択後の具体的反応]を見る |
| 任意の見返し | [提供済み開始点]から;[違い]を比較;[ネタバレの程度]を含む |
| 添付と連絡 | [場面写真、紹介、クレジット等の実在資料];[連絡方法] |
表の上に「初回は自然に選んでください。ルート比較は下の折りたたみ説明へ」と置けます。形式上折りたためなければ比較案内を二ページ目へ移し、ネタバレありと記します。
「ログイン必須」「デスクトップ版のみ」を添付に隠しません。始められるか決める条件なので入口のそばに置きます。紹介の完成状況も現行版に合わせ、予定追加は計画と別記します。
同じ区間一覧から二つの時間を計算する
『最後の上映』は共通冒頭4分、選択後にAの3分かBの5分、共通結び2分という教材設定です。選択は一回だけで分岐は排他的、結びは同じです。
Aルートは4+3+2で9分、Bは4+5+2で11分です。共通を一度だけ数える素材総量は4+3+5+2で14分です。
表紙には「初回ルート映像は約9~11分、別途ご自身の決定と読み込み時間。本版の映像素材は排他的分岐を含め計14分」と書きます。単に「14分の映画」では、一ルートを普通に見る評者が全素材を見るかのようになります。
総量はこの版で到達できる区間で、不採用映像、予告、制作記録は含みません。同じ区間の別仕様書き出しも加算しません。分岐内でループするなら規則も説明し、ファイル長をそのまま体験長にしません。
Aを見て最初からしか再開できずBを見るなら、二回の映像は計20分です。Bへ直接入る入口が実在し、その区間だけ補足で見るなら5分です。その入口を提供する場合だけ書けます。数字は架空構造の計算で、実測の視聴時間ではありません。
編集未完成なら「現在の絵コンテに基づく見積もり」とし、未定も記します。時間は読む・見る予定のためで、完成度を高く見せるためではありません。
観察点を示し、評価の結論を代筆しない
紹介例は「閉館前、映写技師が訪問者への応じ方を決める。観客は先に録音を聞くか質問するか選び、ある間の解釈を変える」です。録音内容を明かさず、操作が起きる場所を示します。
操作欄は別の書き方で「選択表示時は映画が停止。クリックで継続、選ばなければ停止したまま。本例にカウントダウンはなく、別ルート比較は最初から」です。物語文は関心を、操作文は曖昧さの解消を担い、互いに代替しません。
初回の観察課題は「訪問者が間を置く時、既に何を知っているか」に絞ります。任意の見返しには「別の選択で、同じ応答の意味が情報順序によって変わるか比較」と書きます。「すべての選択が運命を深く変える」と押し付けず、変化の成立を評者が判断できます。
「本抜粋は情報順序の変化を示し、異なる結末は示さない」と範囲も添えられます。最終的に合流するなら多結末の曖昧な宣伝より正確です。ルート図は構造確認に役立っても分岐を先に明かすので、作品前の必読ではなく任意添付にします。
入口が使えない、録画しかない場合の納品
操作録画だけなら入口を「インタラクションのデモ録画」と改称し、選んだのは録画者で受け手は操作できないと記します。映像と反応は見せられても、ボタン応答や自由に選ぶ感覚を自分で判断できない境界を紹介に残します。
今は作品が開かないなら、既存の線形抜粋を出し、どのルートか、何の操作が欠けるか明記します。完全なプレイ版と呼ばず、壊れた入口を何度も試させません。
細かすぎる案内も失敗です。全クリック順を指定して最後に自由体験と宣言しません。固定ルートで何かを示すなら「指定デモルート」とし、別の探索を認めます。探索できなければ範囲を正直に記します。
送る前に表紙と納品物を逐一比べます。入口名は実物に合うか、操作文は待機状態も説明しているか、二つの時間は同じ版か、観察点は区間にあるか。未確認は要確認と書き、作者の期待を事実にしません。
メディア評価欄は必須ではありません。実際の報道がなければ削り、引用、ロゴ、受賞歴を作りません。最後の一ページは、初めての受け手が入口、一回の視聴の進め方、体験が作品のどこまでを覆うかを説明できるものにします。


