選べない選択肢には、条件を変えられるかどうかも示す
「船を借りて遠くへ航海する」がグレーアウトしたとき、プレイヤーが知りたいのは、今すぐ条件を満たせるのか、物語を進める必要があるのか、それとも今回のプレイでは機会を失ったのかということです。3種類の説明文と1枚の条件説明カードで、制限の理由、取れる行動、閉ざされた範囲を明確にします。

はじめに
船を借りて航海する選択肢が選べないときは、何が妨げになっているのか、プレイヤーがそれを変えられるのか、閉ざされたのは船を借りる手段なのか航海という目標全体なのかを、併せて伝える必要があります。解除可能な制限には行動を、物語の進行段階による制限には戻ってくる時点を、解除できない制限には閉ざされた範囲を示します。「条件を満たしていません」とだけ書くと、対処すべきなのか、待つべきなのか、諦めるべきなのかを、すべて推測するしかなくなってしまいます。
以下の『霧の港からの手紙』は、解説のための架空の事例です。人物、条件、台詞はいずれも独自に作成した設定であり、実際のユーザー事例でも、検証済みの効果を示すものでもありません。また、DramaForkの製品機能を表すものでもありません。
一、船を借りる資格と航海の結果をまず分ける
物語では、使者のアーチェンが北島へ向かおうとしています。埠頭にある選択肢は「船主から船を借り、北島へ向かう」です。船主は借り手に保証状を求めており、港の規則では、評議会が終わるまで航海の登録手続きは始まりません。また、プレイヤーがそれ以前に船を救援隊へ引き渡していた場合、今回のプレイでは、その船をもう借りられません。
この3つの障害は、どれもボタンをグレーアウトさせる点では同じですが、プレイヤーに求める判断は異なります。保証状がなければ、保証人を探しに行けます。登録が始まっていなければ、保証人をいくら探しても早く出港できません。船をすでに引き渡していれば、待ち続けても戻ってきません。説明文は実際のルールに対応させる必要があり、登場人物らしい口調で断るだけでは不十分です。
「船を借りたいと頼む」と「すぐに出航する」も分けて考えます。船主と先に貸し借りの相談ができる設定なら、港がまだ出航を認めていないことで制限すべきなのは出航であり、船を借りる会話まで選べなくするべきではありません。この記事では、1つの選択肢で船を借りて出航するところまで行うと仮定しているため、両方の条件がそろって初めて選べます。物語の中で2段階に分かれているなら、それぞれの制限を説明してください。
特に明確にすべきなのは、何が永久に利用できなくなったのかです。「今回のプレイではこの船を借りられない」は、「もう二度と北島へたどり着けない」と同じではありません。他の経路も閉ざされているのでなければ、一部の機会を失っただけで物語全体の結末が決まったように書いてはいけません。
二、3種類の説明文で、その後に取る3つの行動を伝える
分類するときは、まず「今の物語の状況で、不足する条件を満たすために実行できる行動があるか」と考えます。あるなら「解除可能」、明確な物語上の節目を通過する必要があるなら「進行段階による制限」、今回のプレイ中に機会を取り戻す手段が一切ない場合に限って「解除不可」とします。ここでいう「今回のプレイ」とは、現在の選択を引き継いで進めることであり、セーブデータを読み込んで選び直すことは含みません。
| 種類 | 答えるべき問い | 船を借りる選択肢に添える説明文の例 |
|---|---|---|
| 解除可能 | 今、何ができる? | 保証状がありません。灯台へ行き、灯台守に保証を申請できます。認められたら埠頭に戻ってください。 |
| 進行段階による制限 | どこまで進めたら戻ればいい? | 航海の登録はまだ始まっていません。評議会のシナリオを終えると、埠頭に戻って手続きできます。 |
| 解除不可 | どの道が閉ざされた? | 船は救援隊に引き渡したため、今回のプレイでは借りられません。北島へは、商船に乗せてもらう方法を引き続き検討できます。 |
「解除可能」は、必ず成功するという意味ではありません。過去の選択によって灯台守が保証を断る可能性があるなら、「彼に会えば選べるようになります」とは書けません。「申請する」「認められたら」といった条件を示す言葉を残し、他の保証人がいるかも確認します。他に保証を得る手段がなく、すでに断られているなら、その制限はもはや解除可能ではありません。
「進行段階による制限」も、画面の前で時間が過ぎるのを待たせるという意味ではありません。この例で登録が始まる条件は評議会のシナリオを終えることなので、進めるべき節目を伝えます。実際に時間の経過を条件にしている物語でない限り、「後でもう一度試してください」では有効な指針になりません。
「解除不可」の場合は、曖昧な慰めを避けます。「まだチャンスがあるかもしれない」と書くと、プレイヤーは存在しない方法を探し続けてしまいます。登場人物が残念がる表現は残しても構いませんが、ルールの説明では、今回のプレイで船を借りる機会は終わったと明言する必要があります。
三、条件説明カードを1枚埋めてから、複数の障害に対応する
作者は、選べない選択肢ごとに次のカードを複製して使えます。判断の根拠と、読み手に示す約束を並べることで、脚本と一項目ずつ照合しやすくなります。
| 項目 | この例での記入内容 |
|---|---|
| 選択肢の目標 | 船主の船を借り、すぐに北島へ向かう |
| 現在の障害 | 保証状がない。評議会がまだ終わっていない |
| 障害の種類 | 解除可能。進行段階による制限 |
| 状況を変える方法 | 保証を申請する。評議会のシナリオを終える |
| 選択可能に戻る判定条件 | 保証を得ており、かつ航海の登録が始まっている |
| 閉ざされた範囲と代替手段 | 現時点で永久に閉ざされたものはない。商船の経路は別途判断する |
2つの条件が同時に不足しているとき、「保証状を手に入れれば出航できます」とだけ書いてはいけません。一方の条件を、条件のすべてであるかのように伝えてしまうからです。両方の不足条件を伝えるなら、「保証状がなく、航海の登録もまだ始まっていません。今は保証を申請できます。評議会が終わってから埠頭に戻ってください」と書けます。短い表示欄に収まらないなら、まず「保証なし。登録開始待ち」と示し、隣の説明欄に2つの行動を書けます。
船をすでに救援隊へ引き渡しているなら、永久に閉ざされた理由を先に書きます。この状況で保証状を強調すると、書類をそろえればまだ借りられると誤解させてしまいます。他の条件は作者用のカードに残しておけばよく、読み手には、この船をもう借りられないことと、今も利用できる可能性がある代替経路だけを伝えれば十分です。
説明カードには、いつ再判定するかも記します。保証状の入手後、評議会の終了後、船の引き渡し後には、それぞれ対応する説明文を確認する必要があります。これは作者が行う点検であり、プラットフォームが自動で処理する仕組みとして説明してはいけません。
四、2つの分岐を手作業でたどり、説明文の変化を確認する
まず、船を残す分岐をたどります。アーチェンが初めて埠頭に来たときは、保証状がなく、評議会も終わっていないため、両方の制限を表示します。灯台で保証を得てから埠頭に戻ったら、表示は「保証は得られましたが、航海の登録はまだ始まっていません。評議会が終わると手続きできます」に変わるはずです。古い「保証状がありません」という表示は取り下げる必要があります。
評議会が終わった後、脚本に新たな障害がなければ、選択肢は再び選べる状態になるはずです。それまで一度も触れていなかった通行証を、突然要求してはいけません。本当に新たな問題が生じるなら、新しい物語上の出来事で変化を説明します。そうすればプレイヤーは、これまでの努力が帳消しになったと疑うのではなく、ルールに何が起きたのかを理解できます。
次に、船を引き渡す分岐をたどります。アーチェンが後から保証を得て評議会のシナリオを終えても、船を借りる選択肢は選べないままです。理由は一貫して、船をすでに引き渡したことにあります。代替の選択肢は「商船に乗せてもらえるか尋ねる」とは書けますが、その後の条件が実際に満たされていない限り、「商船に乗れば到着できる」とは書けません。
この確認で見ているのは、説明文と設定が一致しているかどうかです。プレイヤーが実際に理解できることも、体験上の効果も証明していません。作者は各節目で自分の物語メモを隠し、選択肢の横の文章だけを見て、次はどこへ行くのか、何を待つのか、どの努力がもう役に立たないのかを答えてみるとよいでしょう。
五、選べない項目を残すときと、説明に置き換えるときを決める
プレイヤーが船を借りる機会をすでに目にしていた場合や、物語が明確に船を借りるよう勧めていた場合は、選べない項目を残すことで、なぜ機会が消えたのかを説明できます。その経路を一度も知らせておらず、今の判断にも関係がないなら、当面は表示しなくても構いません。ただし、既知の経路が変わった理由を説明する代わりに、隠して済ませることはできません。
永久に閉ざされた選択肢を、いつまでも操作欄に置く必要はありません。「あなたは船を救援隊に引き渡しました」という結果の記録に変え、まだ試せる経路を選択欄に出すこともできます。こうすれば、それまでの決断の結果を残しつつ、選べない同じ項目を何度も読ませずに済みます。
謎を残したい場面では、必要な行動を伝えるだけにとどめても構いません。たとえば「まず船主に認めてもらう必要があります」と書けば、船主の隠された正体を明かす必要はありません。ただし、すでに分かっている接触手段は示すべきです。作者が意図的に未知の条件を設けているなら、ここでは探索が必要だと認め、明確な解除方法をすでに示したように装ってはいけません。
原稿を仕上げる前に、根拠のない「〜すればできる」「後で」「永遠に」を一つずつ削り、説明カードと照らして正確な表現に直します。適切な説明文は、今取り組む価値があること、戻ってくる価値がある時点、そしてどの選択の結果が今回の物語にすでに残っているのかを、プレイヤーが区別できるものです。


