体力は回復するが、ヒューズは戻らない:二種類の資源で異なる選択を生む
回復できる体力は行動の段取りを左右し、補充できないヒューズは映写と電報送信のどちらに使うかを問います。架空の山間の修理所を例に資源の比較表を作り、使い切ったあとに実際に選べる行動とその代償を順に検討します。

二種類の資源が生む選択を分ける
体力が回復するなら、プレイヤーには「いつ行動し、回復のために何を諦めるか」を選んでもらいます。予備のヒューズを補充できないなら、「一度きりの使用機会をどの機器に残すか」を選んでもらいます。どちらも数量で表示できますが、色の違う残高で終わらせてはいけません。前者は行動のペースを左右し、後者は映写と電報送信の両立を不可能にします。ただし、書き込みも含めた完全な地図を見ることと、その夜のうちに通知を届けることまで両立できなくなるわけではありません。
以下の「山間の修理所」は、説明のための架空の事例です。人物、数値、ルールはいずれも独自に作った例であり、実際の利用事例、検証済みの結果、製品の機能ではありません。ヒューズは物語上の小道具にすぎず、実際の修理作業は扱いません。
当番のアランは、修理所が閉まるまでに古い経路図を整理し、経路変更の通知を届けなければなりません。予備のヒューズは一個だけで、映写機か電報送信機に使うと回収できません。体力の初期値は二、上限は四で、指定された休憩場面で二点回復します。「再生不能」という制約はこの章に限ります。後の章で補充されるかどうかは、別途明示する必要があります。
体力を回復すれば再び行動できますが、過ぎた場面は取り戻せません。ヒューズを残せば用途を一つ確保できますが、それを使う体力まで残っているとは限りません。
資源の比較表で入手元と枯渇後の選択肢を確定する
選択肢の台詞を書く前に、ルールを書きます。この表は別の脚本のひな型にも使えますが、名称を置き換える際には分岐点の順序も確認し直してください。代替行動をそのまま流用することはできません。
| 項目 | 体力 | 予備のヒューズ |
|---|---|---|
| 入手元 | 到着時に二点所持 | 冒頭の備品確認で一個入手 |
| 回復・補充 | 中盤の休憩で二点回復。上限は四点 | この章では補充、回収、代用品なし |
| 消費方法 | 行動によって一点から二点消費 | 映写機か電報送信機の起動で一個消費 |
| 回復の代償 | 休憩すると、老所長と話す場面を失う | 該当なし。待っても増えない |
| 枯渇後の選択肢 | 第一分岐点のあとで休憩できる。第三分岐点では消費なしで配達を託せる | 映写後に枯渇:第三分岐点で体力が足りれば徒歩、不足なら託す。送信後に枯渇:通知は処理済み |
| 物語への反映 | 回復したかどうかが、自分で完遂するか他人に引き継ぐかを左右する | 映写に使って完全な地図を見るか、送信機に残してその夜に通知を送る。徒歩でもその夜に届くが、別の代償がある |
手書きで写す方法ならヒューズを使いませんが、この例ではヒューズを使い切ったあとの救済策にはなりません。映写が終われば地図整理の分岐点も終了しており、戻って書き写すことを選び直すことはできないからです。一般的な代替手段と、現在の状態から実際に選べる行動は、分けて記録する必要があります。
資源を消費する各選択肢には、「確定前の説明」も必要です。必要条件、消費量、達成できることを一文で示します。条件を満たさない場合は資源を引かず、ヒューズを先に消費してから体力不足を告げるような処理にしてはいけません。
冒頭でこの章の在庫を明示し、二つの用途を示しましょう。プレイヤーがすべての台詞を知る必要はありませんが、どの種類の機会を手放そうとしているかは知る必要があります。
同じヒューズで二つの経路をたどる
この章では三つの分岐点を順に通ります。各分岐点で選べる行動は一つだけで、完了後は戻れません。第一分岐点では経路図を整理します。映写は体力一点とヒューズ一個を消費し、完全な地図を表示します。書き写しは体力二点を消費し、ヒューズは使いませんが、主経路しか残らず、余白の書き込みが抜け落ちます。整理そのものを諦めることもできます。
第二分岐点では、閉所前の空き時間をどう使うか決めます。休憩して体力を二点回復するか、体力を消費せずに老所長と話すかです。会話では、彼がなかなか修理所を離れたがらない個人的な事情が明らかになります。ただし、クリアに必須の情報は得られず、第三分岐点の消費量も変わりません。二つは両立できず、休憩を繰り返すこともできません。
第三分岐点では通知を処理します。電報送信は体力一点とヒューズ一個を消費し、通知はその夜に届きます。徒歩で届ける場合は体力二点を消費し、ヒューズは不要で、通知はその夜に届きますが、アランは老所長に別れを告げる機会を逃します。翌日の配達を人に託す場合は資源を消費しませんが、到着が遅れます。
「書き写し—休憩—送信」を選ぶと、体力は二から順に零、二、一となり、最後にヒューズを使い切ります。アランは主経路を得てその夜に通知を送りますが、余白の書き込みは得られず、老所長の胸の内も聞けません。
「映写—休憩—徒歩」を選ぶと、体力は二から順に一、三、一となり、ヒューズは第一分岐点で尽きます。彼女は完全な地図を見ることができ、通知もその夜に届きますが、個人的な会話と最後の別れの両方を逃します。ここで諦めたのは電報送信という用途であって、その夜に届けるあらゆる可能性ではありません。二つの経路で残る体力は同じでも、物語から得られるものは異なります。
「映写—会話—託す」という経路もあります。体力は一点のまま、ヒューズは零です。プレイヤーは完全な地図と個人的な会話を得る一方、通知が翌日届くことを受け入れます。これは優先順位の違いを表すもので、作者が「バッドエンド」と評価する必要はありません。
枯渇で手段を変えても、代償をこっそり消さない
書き写しで体力が零になっても、第二分岐点へ進んで休憩できます。「書き写し—会話」を選んだ場合、第三分岐点では配達を託すしかありません。これは突然の行き詰まりではなく、あらかじめ明示した消費量から生じる結果です。送信と徒歩にそれぞれ必要な体力を選択肢に示し、実行可能な「託す」を残しておきます。
映写でヒューズを使い切ると、第三分岐点で電報は送れません。休憩したなら徒歩で届けられますが、会話を選んだなら体力が足りず、託すしかありません。送信時にヒューズを使い切った場合は、通知はすでに処理済みなので、手紙を別途届ける救済策は不要です。枯渇の意味は発生した位置によって変わります。すべての代替手段をいつでも選べるものとして並べてはいけません。
代替経路にも違いを残す必要があります。徒歩と送信が、資源消費、時間、人物との接触、その後の内容まですべて同じなら、ヒューズの配分には実質的な影響がありません。この例では、徒歩は体力が一点多く必要で、別れの挨拶を逃します。託せば到着が遅れます。送信機を使わない方法にも、あとから振り返って確認できる代償を持たせています。
使い切ったあと、引き出しから突然もう一個ヒューズが見つかれば、それまでの判断を覆してしまいます。その発見が必要なら、「現時点では一個だけ」と表現を変え、探索の機会を事前に用意し、コストを設計し直してください。この章では絶対に補充されないと言い続けることはできません。
三つの点検で、資源の違いが選択に影響しているか確かめる
第一に、回復が単なる待ち時間になっていないか確認します。無限に休めて、世界も進まず、機会も失われないなら、体力は同じ操作の繰り返しになりがちです。この例では回復の空き時間を一度だけ設け、会話の機会と引き換えにしています。ただし、すべての物語に制限時間が必要という意味ではありません。
第二に、温存が常に得になっていないか確認します。ヒューズを残しても現在の内容を失わず、将来には必ずよりよい見返りがあるなら、使うことが不正解に見えます。映写で注目に値する書き込みを見せ、送信という用途と徒歩の代償を事前に説明してこそ、プレイヤーは今とあとを比較できます。
第三に、両方を使い切っても続けられるか確認します。まず分岐点の順に到達可能な状態を列挙し、体力とヒューズがともに零になった場合にも進める手段があるか調べ、失うものを明記します。到達不能な状態を、この例ですでに起きた経路として扱ってはいけません。ある分岐点で進行を止めざるを得ないなら、入る前に条件を説明します。先の道を書き忘れたことを、難しい選択に見せかけてはいけません。
最後に資源表を複製し、自分の脚本で「先に使う」経路と「あとに備えて温存する」経路を一つずつ書いてください。各段階の残量を記録し、その時点から到達できる分岐点を示したうえで、それぞれ失う場面を一文にまとめます。資源の名前が変わっただけで失うものが同じなら、用途をさらに見直しましょう。この方法は異なる物語上の機会を配分するためのもので、数値のバランスが取れた証明にはなりません。具体的な取捨選択は、脚本全体を踏まえて検討する必要があります。


