空間が変わったら、古い道案内をどう停止するか
仮設の仕切りで廊下が塞がれたとき、「通行できません」と追記するだけでは不十分です。道案内の引き継ぎ表で、変化の時点、無効になった案内、代替経路、再訪時の確認を結び付け、古い説明が現在の経路案内として使われないようにします。

はじめに
仕切りで廊下が塞がれたら、その廊下を通ることが前提の古い案内をまず停止し、登場人物の現在地から通れる別の経路を示します。更新対象は、台詞、矢印、地図、タスクの要約、選択肢ボタンです。古い説明を過去の情報として残すことはできますが、現在の経路案内として使い続けてはいけません。
以下では、架空の教材例「紙灯り展示館」を使って説明します。登場人物、場面、分岐はいずれも独自に作った設定であり、実際のユーザー事例、検証済みの結果、製品機能の紹介ではありません。ここで紹介する引き継ぎ表は、作者が手作業で構成を整理し、確認するためのものです。プラットフォームが空間の変化を自動処理するという意味ではありません。
一、通行止めを、開始時点が明確な出来事として書く
主人公のシャオホーは、入口ホールから文書保管室へ向かいます。元の経路は「青い展示パネルに向かって立ち、左に曲がって西廊下を抜け、突き当たりまで進む」です。その後、物語の中で係員が仮設の仕切りを押して閉じ、西廊下の途中が通れなくなります。ただし、入口ホールから右側の回廊を経由すれば、引き続き文書保管室へ行けます。
作者はまず、いつ空間が変わるのかを決める必要があります。この例では「仕切りが閉じられ、固定される」場面を境界とします。それまでは西廊下を通れますが、それ以降は通り抜けられません。係員の「これから閉めます」という言葉は予告にすぎず、その時点で経路を無効にしてはいけません。また、登場人物が閉鎖の様子を見ていなくても、廊下を通れるままにしてはいけません。
紙には「空間がすでに変化したか」と「登場人物がそれを知っているか」を分けて記録します。仕切りがすでに閉じられ、シャオホーがまだ知らない場合、以前の記憶は残せますが、システム側の案内で左折を勧め続けることはできません。物語上、記憶を頼りに間違った方へ進ませたいなら、選択肢を「先ほどの記憶を頼りに西廊下を確かめる」とし、仕切りを発見する場面につなげます。通り抜けられると約束する表現にはしません。
影響する範囲も限定します。失われたのは西廊下を通り抜けられるという条件であり、入口ホール、文書保管室、青い展示パネルはそのまま存在します。一部の通路が塞がれたからといって、地図全体やすべての目的地まで取り下げないようにします。
二、引き継ぎ表で無効な案内を一つずつ取り下げる
まず、西廊下が通れることを前提とした表現をすべて探し、削除するか、書き換えるか、過去の情報として残すかを決めます。「左に曲がる」という文字だけを検索してはいけません。地図上の接続線、文字のない矢印、「さっきと同じ道を進んで」という台詞も、登場人物を仕切りへ誘導し続ける可能性があります。
次の表は、繰り返し使える道案内の引き継ぎ表です。別の場面で使う場合も項目は残し、出来事、場所、内容を差し替えれば使えます。
| 確認項目 | この例での記入内容 |
|---|---|
| 空間が変わる出来事とその時点 | 仕切りが固定され、西廊下の途中が分断される |
| 古い案内の成立条件 | 登場人物が入口ホールで青い展示パネルに向かって立っており、西廊下が通れる |
| 無効になる案内の掲載箇所 | 出入口の台詞、左向きの矢印、地図の接続線、タスクの要約、廊下を通り抜けるボタン |
| 現在の対応 | 通り抜けボタンを無効にし、矢印と要約を差し替え、現在の台詞を書き換え、地図の接続線に分断を示す |
| 代替経路の前提 | 右側の回廊入口が開いており、文書保管室へ通じている |
| 新しい案内 | 青い展示パネルに向かって立ち、右に曲がり、丸窓を経て木の扉に着き、文書保管室へ入る |
| 過去の情報の残し方 | 聞いた台詞は振り返りに残し、そこで説明された経路は現在閉鎖されていると注記する |
| 確認する開始状況 | 初めて到着する、入口ホールに戻る、閉鎖後に以前の進行状態から再開する |
無効になった案内は、掲載箇所ごとに一行ずつ分け、具体的なノードと変更後の文章を書くのが望ましい形です。上の表では見やすさのためにまとめていますが、実際の整理では「すべて更新済み」という一つの欄で個別確認を代用してはいけません。
引き継ぎ表には「古い案内をいつ停止するか」と「新しい案内をいつ使えるようにするか」の両方を書きます。回廊がつながっているか未確認なら、まずは「西廊下は閉鎖されています。回廊の入口を確認する」と表示し、文書保管室に必ず着けると先に約束しないようにします。誤った約束を取り下げるのに、代替経路を最後まで書き終えるのを待つ必要はありません。
三、代替経路を一度最後までたどり、各案内の出発点を確かめる
ここでは、シャオホーが古い説明を聞いた後に仕切りが閉じられる、という順序で展開します。入口ホールに戻ると、タスクの要約は「左に曲がって西廊下を通り抜ける」から「右側の回廊へ迂回する」に変わります。青い展示パネルと閉鎖された西廊下を同じ画面に収め、経路が変わった理由を伝えます。
次に、実行できる一文を示します。「青い展示パネルに向かって立ち、右に曲がって回廊に入り、丸窓のそばまで進む」。この一文では、次の目印まで案内できれば十分です。丸窓に着いたら、「壁沿いに木の扉まで進む。扉の向こうが文書保管室」と案内します。入口ホールでの「右へ」を画面に出し続けてはいけません。登場人物が向きを変えれば、左右の基準も変わるからです。
シャオホーが丸窓まで進んでから引き返したとします。その時点で表示する説明は、現在地を出発点にしたものであるべきです。作者は、まず青い展示パネルまで戻らせてから入口ホール用の案内を再開しても、丸窓から戻るための説明を別に書いてもかまいません。どちらも成立します。大切なのは、同じ短い方向指示を、戻ったときに通るすべてのノードにコピーしないことです。
この例を書き終えたら、文書保管室から逆向きに確認します。木の扉は文書保管室につながっているか、丸窓から木の扉へ行けるか、入口ホールから回廊に入れるか。逆から調べると、「説明は自然に読めるのに、場面同士がつながっていない」という抜けを見つけられます。これはあくまで脚本上のシミュレーションであり、実際にプレイして検証したものではありません。
四、物語の目的に合わせて代替策を選ぶ
一つ目は、直接迂回させる方法です。通行止めが単なる空間の変化であり、文書保管室への到着が引き続き中心となる場面に向いています。必要な新情報は最小限で、どこが途切れたか、代わりにどこを通るか、次の目印は何か、の三点です。
二つ目は、古い記憶を残し、登場人物自身に案内が無効になったことを発見させる方法です。展示館で変更が進んでいることを描きたい展開に向いています。仕切りに着いた後は、速やかに新しい方向を示し、「通れない」と繰り返すだけにしないでください。地図やタスク欄でも過去の情報と現在の経路を区別する必要があります。そうしなければ、矛盾が意図された演出なのか、見る側が判断しにくくなります。
三つ目は、経路案内をいったん保留する方法です。回廊の入口も閉まっているなら、現在のタスクを「入口ホールに戻り、新しい通路について尋ねる」に変え、尋ねた後のノードまで書けます。説明のない扉を突然増やしたり、「別の方法を探す」という言葉で作者がまだ書いていない経路を覆い隠したりしてはいけません。
後で仕切りが撤去された場合は、通行再開を別の変更として記録します。「閉鎖」の文字を消すだけでは不十分です。文書保管室の入口も移動していないかなど、元の経路のほかの条件が今も成立するかを確認する必要があります。
五、反例を使って更新の確認を仕上げる
引き継ぎ前に、次の四つの状況を一つずつ想定して原稿を読み、表示される案内と接続先のノードを記録します。
- 閉鎖前に到着する:左折はまだ実行できるため、迂回の説明を先に出さない。
- 閉鎖後に初めて到着する:誤った案内を一度聞かせる必要はなく、現在の経路を直接伝える。
- 古い台詞を聞いてから戻る:元の説明が無効になったと分かり、現在地から新しい経路に合流できるようにする。
- 閉鎖後に以前の進行状態から再開する:要約、地図、ボタンをその時点の空間に合わせ、閉鎖前後の内容を混在させない。
よくある失敗は、台詞は直したのに、ボタンが「西廊下を通り抜ける」のままになっていることです。地図では閉鎖を示しているのに、要約がまだ左折を指示している場合もあります。どちらも、どこかの掲載箇所で引き継ぎが完了していないことを示します。確認の基準は、新しい案内を一度表示したかどうかではありません。現在も経路案内を担っているすべての表現が、同時に成立するかどうかです。
この方法が扱うのは、架空の物語における経路の整合性です。実在する施設の誘導計画ではなく、生成された内容やソフトウェアの実行がおのずと正しくなると保証するものでもありません。作者が次にできるのは、空間が変わる箇所を一つ選び、引き継ぎ表を埋め、四つの到着状況に沿って原稿を読むことです。分断された通路へ登場人物を向かわせてしまう現在の案内が残っていたら、それぞれの掲載箇所に戻って修正します。


